いまきわは毎週1冊(年間50冊以上)の本を読むのですが、2020年で一番ためになった本です。
この本を読むと自分が何か決めるときにいくつかの”考え方の癖”に影響されていることが分かります。
この記事では私が特に衝撃を受けた2つの癖について紹介します。
この2つを見て、みなさんなんとなーく自分に当てはまると思いませんか。
- 人と同じだと安心する
- 自分の考えに一貫性を持ちたいと思っている
この考え方の癖は自分が思っている以上に強く自分の中に根付いていて、様々な場面で自分の判断材料になっているんです。そして、企業側にも利用されたりしているんですね。怖い。
でもこの性質を知っていると、間違った判断を減らすことができるはずです。
では、早速本書に紹介されている例を見ていきましょう。
目の前で犯罪が起きていても、周りが見て見ぬふりをしたら自分も無視する
1964年にニューヨークで起こった殺人事件から、自分でも驚くほど「みんな一緒」だと思考停止して周りに流されてしまう習性をもっていることが分かります。
この事件の被害者の女性は35分もの間犯人に追い回され、3回も刺されています。その様子を安全な窓際から38人もの人が見ていたにもかかわらず、誰も通報しなかったと言うのです。
なぜこのようなことが起こったのでしょうか?
自分も巻き込まれると思ったから?鍵のかかった家で窓から見ているのに?
本書では”みんなただ見ているだけだから、自分も何もしなくていい”、”自分が通報しなくても、責任はみんなにある”と考えてしまったからだとしています。
私もこの話を読んで、自分がこの目撃者の1人だったとして、100%通報した自信はないと思ってしまいました、、、。
ここまで特殊で差し迫った状況でなくても、みんなが一緒だから大丈夫、って思考停止してしまうことは日常であるだろうと思います。
最近企業の不祥事がニュースになっていますが、”赤信号、みんなで渡れば怖くない”となっている。
毎日判断しなきゃいけないことが多いので、”みんなの同意”が得られていると思えるものは判断せず流しちゃってる。
でもみんなの判断が本当に最適か?と一度自分に問いかけるようにすることは、絶対に必要ですよね。
だって、結局巡り巡って自分に返ってきます。
事件の被害者が自分の友人の恋人だったら?
企業の不祥事だって、結局自分の仕事や生活に影響してきます。
こういう考え方の癖があると理解して、みんなの判断と事象そのものを切り離して考えていきたいです。
では、次は一貫性の話に移ります。
おもちゃ屋さんがクリスマス後にもう1個おもちゃを買ってもらうためには?
”一貫性をもちたい”気持ちの中には「自分が言ったことは守りたい」が当然含まれますよね。
この性質をうまく利用して、おもちゃ屋さんはお父さんお母さんにもう1個おもちゃを購入させる例を紹介しています。
まず、おもちゃ屋さんがクリスマス前(11月くらい)に魅力的な商品のCMを流します。
そしたら当然子供たちは欲しくなりますよね。
しかし、おもちゃ屋さんでその商品は在庫切れ。(メーカーがあえて製造数を抑えています。)
仕方なくお母さんは別のクリスマスプレゼント(おもちゃ)を買います。
子供は残念に思いながら、別のおもちゃで遊び始めます。
そしてクリスマス後に、メーカーが大量にそのおもちゃを製造します。
そしておもちゃが店頭に並んだ時、、、
という流れで、2個買うことになるように仕向けてるらしいです。
完全におもちゃ屋さんにしてやられてますよね。
しかもこの事実を知って「これはおもちゃ屋さんの戦略なのよ。」と子供に言っても、クリスマスにおもちゃを我慢させるのはかなり難しいので、結局は毎年この罠にかかってしまいます。
しかもこの一貫性をもちたい気持ちは、人から信頼されるのに必要なことなので、自分で思っている以上に逆らうのが難しいんです。
でも、このような考え方の癖があると知っていると、逆らうことができるタイミングがあると本書では述べられています。
具体的な事例も紹介されていて、個人的にはかなり参考になりました。
最後に
いかがだったでしょうか?
本書では他にも様々な事例を紹介しながら人間の習性について詳しく書かれています。ちょっとお値段は高いですが、その価値は十分あります。
気になった方は是非読んでみてくださいね。