そんな方にぴったりの本を紹介させてください。
この記事でご紹介する「君に友だちはいらない」は、「僕は君たちに武器を配りたい」の著者である瀧本哲史さんの本です。
瀧本哲史さんをご存知ない方のために、瀧本さんの肩書きをピックアップしました。
・東京大学出身
・アメリカのマッキンゼーで勤務
・京都大学客員准教授
・エンジェル投資家
1つだけでもすごい肩書きがこんなにあることからもわかる通り、もの凄く優秀で、かつ読みやすい本を執筆されています。
私が大学の研究室でお世話になった東大卒の教授は、頭が良すぎて話が分かりにくかったのですが、この本は違います(笑)
瀧本さんは残念ながら既に亡くなられており、本書は2013年出版の本です。
「内容が古くないかな?」と心配される方がいらっしゃるかもしれませんが、瀧本さんは私たちが気付く前に世の中の流れを察知しておられるので、むしろ2021年の今こそ読んでほしい内容となっています。
特に、こんな方に読んでいただきたいです。
・これから自分で事業を立ち上げたいと考えている人
・フリーランスになりたい人
・今の仕事を続けていいか悩んでいる人
本を読もうか迷っている方のために重要だと思ったポイントを、大企業勤務サリーマンである私が自分の考えを交えながら紹介していきます。
会社で成功できる人が、フリーランスとして成功できる
そう思うことってありますよね。
フリーランスの方が素敵なお家やカフェでパソコンをカタカタしているYoutubeの動画は、すごく知的でおしゃれです。
そんな働き方を目の当たりのすると「会社の取引先に理不尽なことを言われ、あくせく働く自分の人生って一体、、、」
という気持ちになるのも、仕方のないことなのかもしれません。
ただ、フリーランスって自営業なので実際は自分でサービスを提供するのと並行して、新規取引先に営業をかけたり、価格交渉したり、経費の計算をしたり、多くの能力が求められると思うんです。
サラリーマンであれば、出張旅費の領収書を経理部に伝票を渡すだけで、翌月には自分の口座に立て替えた分が振り込まれています。
一方、フリーランスであれば自分でやる、もしくはやってくれる人を自分で見つけてこなければなりません。
フリーランスの方は自由に働いているように見えても
実は多くの仕事を自分でマネジメントしているので
私たちサラリーマンより多くのことを考えながら働いているんですよね。
ですから、裏を返せばサラリーマンというのは、自分がやりたい事を(会社がそれを認めれば)集中して取り組み続けられる働き方なのでは、と思います。
そして、自分が働いている業界の情報量は、フリーランスとは比べものになりません。
情報をとってくる人の数が圧倒的に多いので、当然ですよね。
組織を離れたがる人が見過ごしがちなのが、組織にいるときに業務を通じて自然と入ってくる情報や得られる人脈の価値だ。フリーランスになると自分の身の回りの範囲のこと、今手がけている仕事の情報しか入ってこないために、自分が働いている業界で、どんなものが求められていて、何が時代遅れになりつつあるか、「鼻」が利かなくなっていく。
本書より引用
フリーランスになって成功できるのは、会社から独立した後でも時代に取り残されないよう情報をとっていける、
そんな人脈とスキルがある強者だけです。
では私のような普通のサラリーマンで、特別なスキルも、強固な人脈のネットワークもない人間はどうしたらいいのか?
組織に属して業界の情報を吸収しながら、その情報をもとに副業としてビジネスを始めてみるのがいいのではないでしょうか。
本書では、ビジネスをやる上での仲間の重要性と、仲間を得るためのヒントが書かれています。
ストーリーを語り、大きすぎるくらいのビジョンを掲げる
フリーランスになったり自分のビジネスをやりたいなら、協力してくれる仲間とのネットワークは必須です。
そのためにはまず自分自身に魅力がないといけません。
(これはDaigoさんの”超人脈術”でも語られています。)
当たり前ですよね。
”会社の肩書きがなくても一緒に仕事をしたい”と思ってもらわないといけないわけですから。
そのために、ビジョンをストーリーがいかに重要かが本書で詳しく書かれています。
例えば、アメリカで最も成功しているNPO法人「ティーチ・フォー・アメリカ(TFA)」の日本版「ティーチ・フォー・ジャパン(TFJ)」の話はぜひ読んでいただきたいです。
(TFAは2010年の全米文系就職先人気ランキングでGoogle,Appleを抑えて一位を獲得しています。)
最初に掲げるビジョンは大きければ大きほどよい。と同時に、それは多くの人が共感できる普遍的なものではなくてならない。そのビジョンを常にチームの全員が念頭に置いて行動しなければならないし、簡単に変えるのはもってのほかだ。
世界的名著「人を動かす」のなかで紹介されている、「人間の承認欲求を満たすことだけで繁栄した種族、それが犬」だという話を思い出しました。
なんと世界で3人に1人は犬を飼っています。
(日本は比較的飼っている人が少ない国だそうです。)
帰ってきた時、一番に尻尾をふって飛び跳ねながら駆け寄ってくるワンちゃんを見て、一日の疲れが癒されるという方も多いのではないのでしょうか。
それくらい、人間は「必要とされたい」という気持ちが強い生き物としてデザインされています。
仲間が一緒にやらせてほしい、と自然と集まってくるくらいのビジョンがなければあなた自身も自分の仕事に後悔が残ると思います。
本書を読んで、一度ゆっくり考えてみてはいかがでしょうか。
他社でも再現性の高い実績を、今の会社で残す
そう思っている人は、読んで欲しいです。
転職活動する前に、今やるべきことがあります。
それは「他社でも再現できる、自分の実績の棚卸し」です。
転職活動中の面接で、以下の定番の質問があります。
「当社があなたを採用するメリットは何ですか?」
「今の会社で、あなただからこそ達成できた仕事はありますか?」
瀧本さん自身、投資先の企業での面接で以下の質問を投げかけるそうです。
「今まであなたがやってきた仕事で、もっとも会社を儲けさせたのは何でしょうか。
チームでの仕事の場合、そこであなたが果たした主導的な役割は何ですか。」
面接官が知りたいのは、一貫して
「あなたは我が社のために何をしてくれますか?その根拠となる事例を挙げてください。」ということです。
あなたはなんと答えるでしょうか?
私であれば「社内で属人化した技術情報の集約化」と回答します。
化学メーカーにおける技術情報は人の頭の中にしか残っていないことがまだ多いです。
特に失敗データの共有化が課題です。
でも失敗データを月次報告で発表すると色々めんどくさい質問が飛んでくるので、言いたくない人が多いんですよね。
なので失敗データを簡単に残せるシステムを提供できることをアピールします。
ここでのポイントは、転職先での問題を解決できることをアピールすることです。
「そのシステムはもうあるので。」と言われたらおしまいです。
なので私の回答も2、3年で使えなくなるでしょう、
今ここにない解決策で、かつ業界共通の仕事ができないか、目を光らせていきましょう。
ロマンやストーリーを語るときに、社内事情をやたらと話したがる人がいるが、そういう「内輪ネタ」は聞いている側からすると、退屈極まりない話だし、そもそも的外れで問題解決の役に立たないものが多い。ロマンはみんなが関心をもつ何かしらの共通項や、公共的な利益に基づくものでなくてはならない。
本書より引用
最後に
いかがだったでしょうか?
本書では、具体的な事例を挙げて解説されています。
例えばオーディオブックが、既得権益はびこる出版業界の中でキーパーソンを巻き込みながら事業化していったか、といったストーリーです。
企業を考えているあなたの役に立つはずです。