2012年ビジネス書大賞を受賞した本書ですが、2020年に読んでも全く違和感なく、むしろ説得力を増しているように感じました。
自分は定年まで今の会社に雇ってもらえるのか、そもそも会社はつぶれないのか、不安に思っているサラリーマンは多いと思います。
じゃあ会社を変えたらいいのか?そう思って転職サイトを見ても、「サラリーマンは一生マイホームを持てずに、AmazonPrimeを見る週末だけを楽しみに生きるしかないのか?」と思ってしまうくらい給料が低い。
これからどうしたらいいんだろうか、と途方に暮れたあなたにこそ読んで欲しい一冊です。
- 生き残るために必要なスキル
- サラリーマンを使う側の思考回路
- これからのサラリーマンに合った会社の選び方
では、早速見ていきましょう。
生き残るために必要なスキルは何か?
今は学歴があっても、TOEICの点数が高くても、”かろうじて生きることができるレベルの給料”で働いている人はとても多いですよね。
実際私の勤務先には、地方国立大学院の卒業者やTOEIC800点以上の派遣さんが何人もいます。
会社の中で、何ができる人間かを説明できることが求められています。例えば、”英語でプレゼンが任せられる=英語圏で仕事を取ってこれる”といったことです。
では何ができる人材になれば生き残っていけるのでしょうか?
資本主義社会の中で安い値段でこき使われずに、主体的に稼ぐ人間になるためには、この6タイプのいずれかの人種になるのがもっとも近道となる
本書より引用
この6タイプの詳細は本書で分かりやすく説明されているのですが、私たちのような普通のサラリーマンはイノベーションを生み出す人材になるのを目指すのがいいと感じました。
イノベーションは技術革新と訳されたりしますが、簡単に言えば、”潜在的なニーズに大して新しいサービスを提供する”ことだと私は考えています。
なのでイノベーションを生み出す人材になるためには、①潜在的なニーズを見つけ、②ニーズに対して提供できる新しいサービスを考え、③新しいサービスを形にする、の3ステップが必要になります。
本書では、①潜在的なニーズを見つけたら、情報を集めるために企業に就職し、②③を独立して実行することをすすめています。
「落ち込んでいる業界にこそ、イノベーションのチャンスが眠っている」と考えられる。
本書より引用
例えば「若者のテレビ離れ」が進んでいると言われていますが、「手軽に楽しい映像を見たい」というニーズはそのままなので、Youtubeが一気に伸びましたよね。
①は日常の中にあるので、あとはノウハウであったり一緒に②③のステップを実行してくれる仲間を探すために就職すると、事業が成功する確率が上がると本書では述べられています。
よって今落ち込んでいる業界にいる人も、チャンスがどこかにあるはずだと常に探し続け、新しいサービスを提案できる人材であればサラリーマンのままでも転職先は必ずありますし、場合によっては独立することも可能だと考えられます。
サラリーマンを使う側の思考回路
株式会社は株主のものです。株式会社は利益が出たら株価が上がり、配当を増やして出資者である株主に恩返しできるわけですから、経費の1つであるサラリーマンの給料はもっと減らせないか?と常にチェックされています。
あまりにも給料が少なすぎると人が集まらないんじゃない?と思いますが、転職しようにも”かろうじて生きることができるレベルの給料”で働かせる会社ばかりで、選択肢がない状況になっています。
リーダーには、優秀だがわがままな人をマネージするスキルも大切だが、優秀ではない人をマネージするスキルのほうが重要なのである。ダメなところが多々ある人材に、あまり高い給料を払わずとも、モチベーション高く仕事をしてもらうように持っていくのが本当のマネジメント力なのだ。
本書より引用
それなのに、業績が悪くなればボーナスカットや早期希望退職者を募るのが、上場企業でも当たり前になってきています。
サラリーマンとは、ジャンボジェットの乗客のように、リスクをとっていないのではなく、実はほかの人にリスクを預けっぱなしで管理されている存在なのである。
本書より引用
何をすればいいのか?
サラリーマンは安定していると言われていた時代は終わりました。
では何をすればいいのでしょうか?
副業禁止の企業が今もありますが、「いつでも転職できる人材」になることと、「最低限の生活費を稼げる副業」の組み合わせを考えていくことが、本当の安定に繋がるはずです。
そしてそのベストな組み合わせは人によって違います。
大変ですが、一緒に探していきましょう。
このブログでも、本業と副業に役立つ情報を発信していきますので、また読みに来ていただけると嬉しいです。