化学メーカーで女性が研究者として働く【メリット5選】

  • 2022年1月23日
  • 2022年1月23日
  • 研究職
  • 98view
理系大学生
将来の進路に迷っている。研究職に興味があるけれどメリットとデメリットってどんなものがあるの?
こんなお悩みにお答えします。

まず、私のスペックを紹介しますね。

   大手化学メーカー 総合職7年目

   地方国立大学 院卒 (理学部)

 アラサー既婚者

    転職経験なし

 

転職経験はありませんが、働いていた会社が吸収合併されていますので2社分の福利厚生や待遇を知っています。

 

さらに大学時代の友達とも定期的に情報交換していて

東証1部上場の化学メーカー3社(+非上場企業2社)のクチコミを元にこの記事を作成しています。

 

女性が化学メーカーで研究職として働いて幸せになれるかは、人によります。

人によって人生の優先順位は違うので、正解はありません。

 

まずこの記事でメリットを紹介していきますので、デメリット紹介の記事もあわせて読んでみてくださいね。

関連記事

理系大学生 得意科目が理系だったから大学は理学部に入ったけれど、研究者は自分に合っているのかな? 理系大学生 企業で働く女性研究者のデメリットってどんなこと? こんな疑問にお答えします。 &[…]

では、まずメリットについて見ていきましょう。

メリット①:年収と福利厚生がいい

年収と福利厚生は企業規模と業績によりますが、年収が低い若手のうちは、家賃補助がある企業が多いです。

 

若手の年収が低いと言っても、それなりの規模の化学メーカーに就職できれば20代で年収400~500万円くらいもらえます。

20代正社員女性の平均年収が317万円であることを考えると、化学メーカー勤務の女性研究者は同世代より高年収であると言えます。

 

東洋経済新報社の就職四季報(2020年度版)によると、化学メーカーの年収ランキング(総合職)のトップ10は以下の通りです。

(業種:化学のみ抜粋)

順位 社名 平均年収(万円) 平均年齢(歳)
1 三井化学 1038 41.5
2 三菱ケミカル 995 42.9
3 住友化学 984 40.3
4 帝人 947 43.0
5 積水化学工業 935 42.9
6 旭化成グループ 928 42.8
7 昭和電工 923 40.0
8 太陽日酸 921 43.6
9 三菱ガス化学 915 40.1
10 日油 911 42.8

 

大手化学メーカーに就職できれば、40歳前後で年収900万〜1000万円

40代女性の平均年収が400万円前後、男性でも500万円前後なので、同世代の2倍の年収が稼げることになります。

 

化学メーカー年収の推移はざっくりこんな感じです。

 20代 年収400~500万円(管理職はいない。年功序列で上がっていく。)

 30代 年収500~800万円(一部の人が管理職に。)

 40代 年収800~1200万円(管理職にほとんどが上がる年代。部長になる人も出てくる。)

 50代 年収1000~1500万円(部長クラスが平均年収を押し上げる。1000万円に到達しないまま終わる人もいる。)

上のランキングの会社全部は調べられなかったのですが、1位と10位でも平均年収の差が100万円程度なので、参考になるはずです。

 

これだけの年収があれば、安心して暮らせますよね。

私の場合は、31歳の時に1000万円貯金できました。

投資でちょっとだけ増えましたが、貯金がほとんど。

31歳で貯金1000万円ある女性は少ないと思うので、研究職はそれなりに稼げる職業と言えそうです。

メリット②:開発した製品が使われる喜びを味わえる

自分が苦労して研究したアイテムが製品化されて、製造量が増えていくのを見ると本当にこの仕事をやってきて良かったと思います。

 

10年以上売れ続ける製品を開発した先輩もいます。

きっと我が家のテレビの一部に使われているはずです。

自分が生み出したアイテムが10年以上売れ続けて、日々の生活の中で使わていく

そんな夢が研究の仕事にはあります。

メリット③:仕事で関わる人とのやりとりが比較的スムーズ

当然ですが、研究者は社内での研究がメインの仕事です。

とは言え研究者もサラリーマンなので、社内外の様々な立場の方とコミュニケーションを取ることも重要な仕事です。

 

例えば以下のような場合があります。

・ 製品化の際に製造部、品質保証部、調達部、営業部との打ち合わせ

・ 特許出願時の知財部との打ち合わせ

・ 顧客への技術営業

・ 原料メーカーとの打ち合わせ

・ 学会発表

これ全部、お相手は自分と近い背景を持っている研究者だったり、同じ業界で働く人ばかりですよね?

 

つまり「え、話全然通じないんだけど、どうしよう」という場面が少ないです。

 

例えば、車のディーラーさんであれば年齢も職業も様々なお客様へ商品を販売します。

きっと無理な値下げ要求をしてくるお客さんもいらっしゃる事でしょう。

そういうストレスって結構メンタルにダメージありませんか?

 

私が学生時代に居酒屋でバイトしていた時、やたら上から目線のお客様が多くて絶対に接客業では働きたくないと思いました(笑)

 

「仕事で関わる人ほとんどの人と話が通じる」のは、日々の心の安定につながるので、大きなメリットです。

メリット④:一人当たりの裁量が大きい

検討テーマを決める際は上司の指示が入る場合がほとんどですが、検討をどうやって進めていくかは大部分を研究者の裁量で決めることができます。

(上司も逐一チェックしている暇がない、という理由もありますが。)

 

私も入社2年目くらいからは自分で実験計画を立てて、定期的に上司に進捗を報告しながら研究を進めてきました。

 

進め方が悪くて成果が出なかった場合の責任も重いですが、裁量が大きいことは仕事のやりがいに繋がるので、「若手のうちから自分で工夫しながら仕事をしていきたい」という熱意がある人は研究に向いています。

 

また必要な試薬や器具を買う時も、数百万レベルの実験装置をポンと購入できたりします。

自分の人生の買い物で数百万単位の物を買うことなんて家か車ぐらいなので、若いうちから高価なものを買う経験ができるというのも、メリットの一つです。

メリット⑤:子育て世代の女性でも働きやすい環境が整いつつある

特に大手企業は時短勤務や育児休暇の制度が整っています。

例えばくるみんマーク認定企業の旭化成株式会社は、男性の育休取得率が40%を超えているそうです。

有給扱いになるのが最初の5日だけなので取得日数としては短い人が多そうですが、育休が取りやすい風土があるというのは女性からしても大変ありがたいと思います。

旭化成株式会社の他にも、くるみんマーク認定企業の化学メーカーは多く、例えば以下のような会社があります。

三井化学

住友化学

東レ株式会社

ユニ・チャーム株式会社

花王株式会社

大手化学メーターはほとんど認定企業になっているので、女性が少なくても育休が取りやすい環境を整えようとしてくれていることが分かります。

最後に

いかがだったでしょうか。

研究職は年収も悪くないし、育休の制度が整っているので「研究が好き」という女性には悪くない選択肢だと思います。

(逆を言えば、育休が取りづらい、もしくは年収があまり高くない会社にお勤めの方は、年収UPのために転職を考えるべきです。)

 

もちろんメリットばかりではありません。

メリットしかない仕事なんてないし、何が重要かは人それぞれ。

デメリットもあわせて読んでみて、自分に研究職が合っているか、じっくり考えてみてくださいね。

関連記事

理系大学生 得意科目が理系だったから大学は理学部に入ったけれど、研究者は自分に合っているのかな? 理系大学生 企業で働く女性研究者のデメリットってどんなこと? こんな疑問にお答えします。 &[…]

最新情報をチェックしよう!