同世代の平均貯金額との比較が無意味な理由

  • 2022年1月23日
  • お金
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悩んでいる人
自分の貯金額って他の人と比べて多いのかな?

 

そんな方に向けた記事です。

 

私も同世代より貯金があるか気になって「30代 平均貯金額」というキーワードで調べたりしました。

でも調べれば調べるほど、平均貯金額と自分の貯金額を比べることは意味がないと分かってきました。

 

自分の貯蓄額と平均の貯蓄額を比べることに意味はない理由は3つです。

① そもそも自分の貯金額と比べるのに適したデータがない。政府や調査機関の調査結果は、借入金を考慮していても、持ち家の評価額(現物資産)を考慮していないから。

② 世の中の半分の人は、自分の生活に必要なお金を把握すらしていない。

③   平均的な生活をしている人も、老後にも不安を感じている。

 

順番に詳しく解説していきます。

理由①「平均貯金額」+「借入額」のデータはあっても「家の評価額」が考慮されていない

「平均貯金額」と検索すれば、いくらでも情報が出てきますが、家の評価額まで考慮されていないですよね。

家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2020年)によると、借入額がある世帯が全世帯で42.9%。

借入がある世帯の平均借入額が約1600万円です。

そして借入の理由のおよそ67%が「土地・住宅の購入やリフォーム代」となっています。

 

また総務省の調査によると住宅全体に占める割合「持ち家住宅率」は61.2%となっています。

半分以上の世帯に持ち家があるのに、家の評価額を考慮に入れないっておかしくないですか。

 

家の評価額を考慮せずに貯金額と借入金だけ比較すると、Bさんの資産額の方が多いように見えてしまいます。

Aさん  貯金200万円  持ち家(住宅ローン 1200万円) 家の評価額2000万円

Bさん    貯金300万円   賃貸マンション住まい

 

家の評価額を含めるとAさんの資産は200万ー1200万円+2000万円=1000万円あるので、Bさんより700万円も総資産としては多いはず。

 

なぜ国はこんな調査方法をしているのか?

持ち家の人は固定資産税を納めているから、紐付けしてくれたらいいだけじゃないの?

そう思いますよね。

でも、政府はそこまで詳しい調査結果を求めていないんです。

調査の目的 :国民生活基礎調査は、保健、医療、福祉、年金、所得等国民生活の基礎的事項を調査し、 厚生労働行政の企画及び立案に必要な基礎資料を得ることを目的とするものであり、 1986(昭和61)年を初年として3年ごとに大規模な調査を実施し、中間の各年は簡易な調査 を実施することとしている。 2019(令和元)年は、12回目の大規模調査を実施した。

「国民生活基礎調査の概況 調査の概要(厚生労働省)」より引用

つまり「国民がどれくらいお金を持っているかの大まかな傾向」を知りたいだけなので、細かい調査は必要ないんですね。

でも確かに大まかな傾向はわかります。

せっかくなので、国の調査結果を見てみましょう。

2019年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)

 

2019年に厚生労働省が実施した調査によると全世帯の平均貯蓄額は1077万円、平均借入額は425万円となっています。

貯金額から借入金を差し引いて600万円ほどの資産があるというのが、全世帯の平均と言えそうです。

でも「え、そんなに貯金持ってないよ!」という方が大半ではないでしょうか。

 

それもそのはず。

平均貯蓄額1000万を超えて来るのは50代で、40代以下はむしろ借入金額の方が貯蓄額より高くなっています。

【世帯主の年齢別 1世帯当たり平均貯蓄額-平均借入金額】

  全体平均 20代以下 30代 40代 50代 60代 70代以上
平均貯蓄額 1077万円 180万円 530万円 651万円 1075万円 1462万 1234万円
平均借入金額 425万円 248万円 1071万円 1003万円 547万円 214万円 108万円

参考:2019年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)

 

30代は住宅ローンを組んで持ち家を購入する人が増えることから、借入金額を貯蓄額を上回ってしまう人が増えてしまうんですね。

 

30代でローンを組んで家を購入し、40代までは貯金額が借入額を上回っている、というのが日本人の平均的なお財布事情のようです。

この結果を見て、頭のいい人たちは政策を考えているというわけです。

 

でも私たちのような一般人は「自分の生活をどうしていくか」を一人一人が考えていく必要があります。

理由②  お金の計画を立ていない人の方が多い

家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2020年)によると、生活設計(資金計画)を立てている人は、全体の43.4%しかいません。

「生活設計策定の有無」

生活設計を立てている 43.4%

現在は生活設計を立てていないが、今後は立てる予定がある 35.6%

今後も立てるつもりはない 19.2%

無回答 1.9%

家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2020年)より引用

半分の人しか資金計画を立ててないのに、その人たちの平均を見ても、安心材料になりませんよね。

理由③ 8割近くの人が老後に不安を感じている

家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2020年)によると8割近くの人が老後に不安を感じており、老後の心配をしていない人はわずか2割しかいないことがわかっています。

つまり、平均的な生活とは「多少の老後の心配がある生活」ということになってしまいます。

「老後の生活への心配」

非常に心配 35.7%

多少心配 42.3% 

それほど心配していない 20.7%

無回答 1.3%

家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2020年)より引用

8割の人が不安を感じているのに、資金計画を立てている人は43.4%。

つまり、老後の不安を感じているにも関わらず、資金計画を立てていない人は結構多いんです。

そんな日本人の平均だったとしても、安心できないですよね。

最後に 自分の資金計画を立ててみよう

大事なのは平均よりお金があるかではなく、自分の人生に必要なお金が十分に用意できているかです。

「一生にかかるお金 シュミレーション」で検索すれば、無料でシュミレーションツールを提供しているサイト様がありますので、詳しく知りたい方はそちらをご利用されることをおすすめします。

私も資金計画を立ててみたので、よければ参考にしてみてくださいね。

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